血尿が出たら

血尿とは

泌尿器科を受診する患者さんで多い症状の1つに血尿があります。血尿とは「尿に赤血球が混入した状態」のことです。
受診理由として多いのが次の2つです。

  • 健康診断で尿潜血陽性と言われた。(顕微鏡的血尿)
  • 見た目に赤い尿が出る。(肉眼的血尿)

①健康診断で尿潜血陽性と言われた

健康診断では一般的にテステープ(尿にろ紙を浸して行う検査)で尿潜血反応検査を行います。これは簡便で結果も早く出る反面、実際には血液が混じっていない尿まで異常と診断されることがあります。
本当に血尿かどうかを診断するには、尿沈渣(尿を顕微鏡で直接見る検査)を行い、尿に赤血球が混じっているかを確かめる必要があります。
尿沈渣で赤血球の混入が確認されると、顕微鏡的血尿(見た目は正常だが、顕微鏡で見ると赤血球が混入した尿)と言われ、精査の必要な場合があります。次の頁でもう少し詳しく解説します。
一方、血尿ではない単なる尿潜血陽性の場合、原因としてヘモグロビン尿、ミオグロビン尿などが考えられ、腎臓内科での精査が必要となる場合があります。

②見た目に赤い尿が出る

見た目に赤い尿を肉眼的血尿と言います。顕微鏡的血尿に比べて、たくさんの赤血球が出ている状態です。
肉眼的血尿が出た場合、年齢などにもよりますが一度はしっかりと検査を行うことをお勧めしています(検査で明らかな原因がないこともあります)。
ただし、夜中に血尿が出たからといって、焦って夜間救急外来を受診する必要はありません。激痛がある、尿が出せなくなったなどの症状がなければ、翌日の外来を受診するようしましょう。

血尿の原因は様々ですが、頻度として、

  • 尿路感染症(腎盂腎炎、膀胱炎、前立腺炎など)
  • 尿路結石 (腎結石、尿管結石など)
  • 尿路悪性腫瘍(腎盂がん、膀胱がん、前立腺がんなど)

の順に多く、まずはこれらを念頭に診察します。

その他の原因として、腎外傷、腎血管異常(ナットクラッカー症候群、腎動脈瘤)などがあります。

③検査

血尿の原因を調べる検査として、

  • 血液検査
  • 尿検査
  • 超音波検査
  • CT、MRI検査
  • 膀胱鏡検査

などがあります。これらの中から、主治医が必要と思われる検査を提案させていただきます。

図:尿管結石のレントゲン写真とCT所見

経尿道的前立腺切除術(TURP)術後の一般的経過

尿失禁とは

経尿道的前立腺切除術(TURP)の入院期間と費用

通常、術後4~6日目頃に退院となりますが、 病状・術後経過により個々の患者さんで違いがあります。
入院・手術に伴う費用については健康保険が適用されます。

図5:膀胱全摘術

図6:腹腔鏡下膀胱全摘術(イメージ図)